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2017.10.02

畠山健介選手と語り合う会~ラグビーワールドカップ2019開催2年前を迎えて~ の議事録を公開します。

平成29年9月17日(日)に、府中駅南口「ル・シーニュ」内の市民活動センター・プラッツにおいて開催した、「畠山健介選手と語り合う会~ラグビーワールドカップ2019開催2年前を迎えて~」について、当日参加された方、またあいにく参加できなかった方からも、当日の内容が知りたいとの声をいただきましたので、議事録を公開します。

畠山選手から、ラグビーに対する熱い想いが語られています。

ぜひご一読ください。

 

【司会】

本日ご参加の皆様はすでにご存知のことと思いますが、府中市ではラグビーのまち府中推進委員会と協働し、ラグビーワールドカップ2019及び東京2020オリンピックの7人制ラグビーの東京スタジアムでの開催を契機に、ラグビーを通じたスポーツの推進やまちの活性化に向け、様々な取組を実施しています。

本日は、この一環として、市内を活動拠点して活動するサントリーサンゴリアスの畠山健介選手をお招きし、「ラグビーのまち府中まちづくりカフェ」に参加している市民の皆さんと、「ラグビーワールドカップをどう迎えるか」「ラグビーのまち府中として、大会後もラグビーを通じたまちづくりをどう進めていくか」について意見を交換し、大会後のラグビーと府中市のあるべき姿を考えるきっかけ作りをしたいと考えています。

 

次に、本日はまだラグビーに関心を持たれてからまもない市民の皆さんもいらっしゃいますので、改めまして畠山選手のプロフィールを申しあげさせていただきます。

畠山健介選手は、1985年宮城県気仙沼市生まれ。仙台育英高校、早稲田大学を経て、2008年にサントリー入社。ポジションはプロップ。ラグビーワールドカップには、2011年、2015年の2大会連続出場していらっしゃいますほか、本年7月には、一般社団法人ラグビーフットボール選手会の代表理事に就任され、名実ともに、日本のラグビー界を牽引されております。そして、皆さん同様に、府中市在住でいらっしゃいます。

 

【畠山選手挨拶】

畠山健介です。よろしくお願いします。僕は8歳からラグビーを始めました。最初は、ラグビー楽しい、面白いと思いながらやっていたわけで、ラグビーをどうしたいと思って始めたわけではありません。それが原点です。その後、ラグビーを経験する中で、ラグビーの市民権などを考えるようになりました。それで今はこういう立場で話しているわけです。僕はラグビーしかやってこなかった人間なので、話をするなかで、それは違うよと思われることもあるかもしれない。今日は皆さんと話を交える中で、僕自身も何か新しいことを考えるきっかけになればと思っているので、よろしくお願いします。

【質問者①】

ラグビーには決まった応援の形がなく、チームごとに違ったりします。選手としてこういう応援があった方がいいといった考えはありますか。変な質問ですみません。

 

【畠山選手】

大事な質問だと思います。おっしゃるように決まった形がないです。大きな鳴り物などがなければ基本的には自由、応援しないことも自由です。サンゴリアスはOBの方に来ていただき、仕切ってもらっているので、他のチームに比べてお客さんと一緒に盛り上げようという印象があります。実は応援よりも選手は野次の方がよく聞こえます(笑)。

応援以上に選手がプレーしていて一番感じるのは、お客さんが入っているかどうか。その試合が人気カードかどうかということも大きい。これは、ラグビーワールドカップ2019においても重要な問題だと思います。お客さんが少ないと選手も悲しいし、大会が成功したとも言えない。スタジアムの大きさの問題もある。1万や2万のキャパシティでもいいので、お客さんが入っていることが重要。昨年、フランスで日本対フィジーの試合があり、(9,500人という小さなキャパシティのスタジアムに、)満席に近い8,000人のお客さんが入っており、すごく盛り上がっているように感じました。

応援の形は自由でいいと思います。それに対し、選手が良いプレーをすることも大事。どうやれば人を呼ぶことができるか。人を呼ぶことができれば、自然と会場は盛り上がっていく。お客さんと選手が一緒に盛り上げていくということが重要で、常日頃から、どうにかしたいと考えています。

【質問者②】

「ラグビーのまち府中」を選手の方々の協力を得ながら盛り上げて行けたらいいと思っています。私はラグビーワールドカップ2015でラグビーにはまりました。難しいとは思いますが、どうやれば盛り上がるかを考えると、選手に協力してもらうのが一番効果的だと思っています。

11月のテストマッチ(日本代表対オーストラリア代表戦)、12月の府中ダービーマッチ(サントリー対東芝)において、畠山選手が提唱している01(ゼロイチ)活動(注釈)ができればと思っているのですが、選手の皆さんに協力をお願いできるでしょうか。

 

(注釈)畠山選手が提唱し、推進している「ラグビーを知らない、興味がない人にラグビーを知ってもらう、好意を持ってもらう活動」のこと。

 

【畠山選手】

自分がやっていることが無駄じゃなかったと思えるご意見で、とても嬉しいです。選手は、ラグビーを広めたい、このままじゃダメだと思っている人が多いので、協力は惜しみません。ただ、一方で、大前提として選手はチームと会社に所属しており、忠義を持っています。そのため、会社の考えとそぐわない、例えばチームの価値を下げる、会社のブランドイメージを損ねると判断されることなどには協力できないこともあります。また、試合や練習などのチームスケジュールが優先となります。逆に言えば、選手が協力するということは、チーム、会社が協力するということ、府中で言えば、東芝とサントリーが協力するということです。会社の単純な利益だけではなく、それだけでないアプローチで企業にメリットを感じてもらうことが必要だと思います。例えば、ラグビーを通してまちづくりをするというような考え方は大事なことだと思います。選手は、協力しようという気持ちは常に持っています。

 

【質問者③】

市民の中には、いつから府中市はラグビーのまちになったのか、と言っている人もいる。畠山選手は、どうしてラグビーはファンがなかなか増えないのだと思いますか。

 

【畠山選手】

それまでそうじゃなかったのに、そうなったときの異物感、違和感があるのではないでしょうか。日本人は特にそういうことに敏感で、例えばヨーロッパは陸続きで文化交流が頻繁にあるのでとても寛容ですが、日本は島国、国民性があって、新しいものに対する拒否感のようなものがある。ラグビーを盛り上げようと急に言われても盛り上がれないのではないか。考えて、工夫をしなければいけないと思います。

 

【質問者③-2】

人は楽しいと体感しないと変わらないと思います。私の場合は、それがストリートラグビーでした。今まではラグビーのポスターが貼ってあっても目に付かないくらいでしたが、ストリートラグビーを体験したことで好きになり、ラグビーワールドカップ2019を盛り上げたいと思うようになりました。私のような人を増やしていきたいです。

 

【畠山選手】

「ラグビー面白いよ!」と熱を持って言われても、言われるほど引いてしまうものです。ラグビーのことがわからない人からしたら、「いや、いいよ」となってしまう。強引に好きなってもらうのではなく、まずは興味がなくても家族や友人と一緒に観戦に来てもらう。そこから少しずつ好きになってもらって広がっていくという方がいいように思います。今までのラグビーは人が自然と集まってきたので、どうやれば人が集まるかということをあまり考えて来なかった。これからはしっかりと考えなければいけない。そのモデルケースを府中から作っていけばいいと思います。成功事例ができれば全国に広がっていくはず。トップリーグのチームが2つもあって色々なものが豊かにある府中市は、それができる自治体だと思います。

ラグビーとストリートラグビーの楽しさは別ですが、ボール持って走る、大人に褒められる、子どもが楽しいと思えるきっかけとして、ストリートラグビーからタグラグビーに発展していくなど、始めのきっかけとしては良いものだと思います。

 

【質問者④】

私も2015年の南アフリカ戦を夫婦で見て、ラグビーにものすごくはまった1人です。「ラグビーのまち府中」をどうしていくか考えていますが、参考に、世界や国内でラグビーの関心が高い地域、ラグビーを通してまちづくりを進めていると感じた地域などがあれば教えてください。

 

【畠山選手】

やはりヨーロッパは関心度が高いと感じます。スポーツの土壌が昔からあって、文化になっている。昨年、ウェールズで試合をやりましたが、ティア2(注釈)の格下日本との試合でも7万人のスタジアムがパンパンに入っている。日本の2015年の活躍の影響でもあると思います。また、ニュージーランドは別格にラグビーが根付いています。

日本で言えば、福岡と大阪が、ラグビーが盛んな印象です。福岡はなぜか強いスクールが多い。大阪は元気な人が多くて部活が盛んです。全国的に、ラグビーは部活がない学校も多い。今後は少子化が進み、スポーツが子どもたちを取り合うようになる。どうやってラグビーに人を集めていくということが課題です。

 

(注釈)ラグビーにおいては、世界ランキングとは別に、「ティア」と呼ばれる階級が存在し、ウェールズを含む伝統国・強豪国をティア1、日本などの中堅国をティア2、発展国をティア3として分類されている。

 

【質問者④-2】

私は、行けるときは秩父宮まで観戦しに行っていて、ファンを少しでも増やしたくて、知り合いを連れて行って観戦してもらったりしています。ラグビーは生でみると音や選手のひた向きさが伝わってきて、テレビで見るのと全然違うスポーツだと思います。

 

【畠山選手】

現場の楽しさを感じてくれていてありがたいです。ラグビーを観に行くというのは、行ったことのない人にとっては、ちょっと良いレストランのような感じで着飾らないと行けないようなイメージがあるように思います。どうすれば気軽に来てもらえるかということをこれまで誰も考えてこなかった。例えば野球では、興行としてたくさんの人に来てもらうための方策を、色々考えて実行している。今のラグビー界はそれを考えているか。トップリーグに50万人呼ぶという目標ももちろん大事だが、それによりどれだけ稼げるか、新規のファンをどれだけ掴んでいるかということも考えなければいけないのではないか。日本協会も当然考えていると思いますが、難しいところだと思います。

 

【質問者⑤】

私は、お好み焼き屋の店長をしています。ラグビーが少しとっつきにくい、ルールを知らないと観戦に行きにくいというのはわかる気がします。初心者の人に対し、例えば飲食店でイベントをやってみるとか、選手にメニューを考案してもらうとかいうことも、きっかけとしていいのではないでしょうか。ところで、畠山選手はお好み焼きは好きですか。モルツとプレミアムモルツでは、どちらがお好み焼きに合うと思いますか(笑)。

 

【畠山選手】

お好み焼きは好きです。ビールよりも、ハイボール、特に白州ハイボールが好きです(笑)。

人気のきっかけの話ですが、人気があるものは女性が作り出していることが多いです。男性はそこに自然と付いていく。女性が好きなものは何か。例えば、食事。今であれば、SNSで広がるかどうか、インスタ映えするかどうか。選手が考えたメニューもファンには受けると思いますが、ラグビーを知らない女性にはどうでしょうか。「女性に受けるのは何か」を考えることは、すごくプロフェッショナルなことだし、ビジネスとなり得るもの。そういったことに強い人と一緒に考えてお客さんを呼んでいくことが重要だと思います。ラグビーがまだ好きじゃない人に会場に来てもらって、インスタグラムやツイッターに上げてもらう。それが広がって、お洒落とか楽しそうとか思ってもらって、今度行ってみようと思ってもらえる流れをいかに早く掴めるか。これからも新しい動きがたくさん出てくるでしょう。どうすれば儲かるかという観点はとても重要。日本においては、人気を見出すのは常に女性だと思っています。

【質問者⑥】

先ほどから話に出ている、ラグビー観戦をしたことがない人をどうやって呼び込むか、ラグビーワールドカップ2019、東京2020オリンピック・パラリンピックが終わった後のことも見据えた中で、どうやって継続していくか、選手も日本協会も皆さん考えていることと思いますが、畠山選手は、観戦するリピーターを増やしていく方法についてどのように考えていますか。

 

【畠山選手】

本当に難しい問題だと思います。リピーターは作ろうと思ってもなかなか作れない。テレビと一緒で、面白かったらまた観ようと思うのであって、まず初めてどうやって来てもらえるかの「場」を作ることが必要だと思っています。その意味で、僕は高野市長にも話をしているのですが、府中市にスタジアムを作ってほしいと思っています。ラグビー専用ではなくて、サッカーもコンサートも、高校生の大会もできて、いつも稼働しているような、1万人から1万5千人くらいを収容できるスタジアムがいい。そこには、コンビニもジムもあって、ただの箱物として試合の日だけ使われるのではないものがいい。ガンバ大阪の吹田スタジアムやアメリカのボールパークのような、フットボール専用スタジアムが府中にできたら、本当にいいと思います。

リピーターを増やすには、やはり試合の内容、結果も重要です。2015年の南アフリカ戦は本当に奇跡だった。もし、あの試合に負けていたらリピーターは増えなかったかもしれない。その意味で、運的な要素も強い。まずは一度観戦に来てもらう。来てもらった上で、選手は試合を頑張る。そうすれば、ラグビーの知識がない中で面白いと感じてもらえるのではないかと思います。

 

【質問者⑦】

私は、2015年の南アフリカ戦をたまたまテレビで見ました。それまでラグビーのことは全然知らなかったのに、試合にどんどん引き込まれて、眠くても眠れなくて、全然知らないスポーツなのに涙を流した初めての体験でした。それからラグビーに興味を持ちましたが、チケットの買い方もわからなくて、たまたま知っている友人と初めてトップリーグを観に行って、そこからさらに好きになってサンウルブズも観に行くようになりました。あとから、生まれ育った府中にサントリーも東芝もあることを気づきました。今度は、自分が、観たことない人を誘うようになりました。そこで気づいたことは、ラグビーはどんなに雨でも、どんなに寒くても、どんなに暑くても必ずやる。そうなると、なかなか誘っても来てくれない。初めての人を誘うには雨を気にしないで観戦できる場所が重要ではないでしょうか。コアなファン、本当に好きな人はどんな天候でもくるでしょうが、初めての人を誘うには環境が良いとはいえません。例えば、今年の秩父宮、サンウルブズの最後に試合はあまりにも暑かった。また、陸上のトラックがない方が近いので良いと思います。こういった問題がクリアできるスタジアムがあれば、新しいファンは増えてくると思います。また、オールドファンのような人から、声を出すなと怒られて、しばらく行けなくなった時期もありました。新規ファンでもできるような観戦ルールや、サッカーみたいに応援するスタイルがあってもいいと思います。選手として、どう考えられますか。

 

【畠山選手】

選手も雨や暑い中ではやりたくないです(笑)。あのサンウルブズ戦は対戦相手のブルーズからも後から意見が出るほど本当に厳しい環境でした。ドーム型は最終的な理想形だと思います。ラグビーがスポーツビジネスとして成り立つということを企業に知ってもらい、お金を集めて、全てのファンが濡れたり寒かったりという辛い思いをしなくても観戦できるということを訴えていければいいと思います。でもそれはまだ時期尚早です。理想だと思いますが、今はラグビーの価値を高めていくことを続けていくべきだと思います。昔からのファンはどんな天候でも来てくれるかもしれないが、新しいファンや初めての人は来てくれない。そういった人にどうやって来てもらうか、そういった人をどうやってコアなファンにしていくか。また、オールドファンと新規ファンとのバランスをどのように保っていくか、非常に大事な問題だと思います。

新しい応援の有り方も大賛成です。イングランドなどと比べると、日本の応援は行儀が良すぎると思います。サンウルブズの試合では、DJを入れて洋楽をかけるなど新しい応援が作られていて面白い。これは継続していくことがラグビーが変わっていくきっかけになると思います。そのためには、サンウルブズも結果を出さないといけない。やっぱり勝たないと面白くない。貴重なご意見だと思います。

【畠山選手まとめ】

今日のテーマの1つ、ラグビーワールドカップ2019後もラグビーを通したまちづくりをどのように継続していくかということは、本当に難しいことだと思います。なぜ「ラグビーのまち」なのか、他のスポーツでもスポーツ以外でもなく、なぜラグビーなのかという理由を明確にしておくことが、ラグビーのまちとして主張していくために必要なことだと思います。それができれば、現実味がもっと増していくはずです。ラグビーが好きということを、ただ好きというのではなく、さらに掘り下げていかないといけないと思います。

例えば、ラグビートップリーグが地域密着型になり、全チームが地域を入れるチーム名に変更する、などの案はどうでしょうか?

(釜石シーウェイブズは、地名が入っていて応援もすごく盛り上がっています。)

それはいい成功例だと思います。ラグビーをプロ化するという議論もありますが、完全プロ化は早いと思います。企業と連携してラグビーはもっと市民権を得ることが大事で、ラグビーが企業にどんな影響、メリットを与えられるか、それを共有してラグビーが生き残る道を見出していかなければいけない。2019年後に、ラグビーが継続していくことの意義、価値を見出さないと、またラグビーは厳しい時代を迎えることになります。皆さんが意見を言い合うことで強く現実味を帯びてきますので、これからも深く掘下げて考えていただきたいと思います。これからも是非、ラグビーをよろしくお願いします。本日はありがとうございました。

 

(終了)

 

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